Pentalagus of kisyou

形態 〜Form〜

体長42-51cm。尾長1.1-1.5cm。体重1.3-2.7kg。全身は光沢のある長い体毛と、柔らかく短い体毛で覆われる。体毛の色彩は背面が黒や暗褐色、腹面が灰褐色。椎骨の突起は水平方向に長い。
眼は小型。耳介も小型で、長さ4.1-4.5cm。属名Pentalagusは「5つの歯のあるウサギ」の意で、模式標本の個体の上顎臼歯が左右に5本ずつしかない(ウサギ科は通常左右に6本ずつ)ことに由来する。しかし本種も通常は上顎臼歯は左右に6本ずつある。四肢は短く、特に後肢は短い。指趾には爪が発達する。染色体の数は46本。出産直後の幼獣はほとんど体毛が無く、眼も閉じている。

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折居健二

分類 〜Classification〜

形態およびDNAによる分子系統学的解析、生態からウサギ科内でも原始的形態を残した種と考えられている。奄美群島の一部に本種のような原始的形態を残した遺存種がいることに対しては南西諸島が台湾と陸伝いだった時期(中新世後期)に侵入したが、海水面の変動により島嶼に隔離されたか他のウサギ科の構成種が侵入せず、競合相手がいなかったなどの理由が考えられている。


生態 〜Ecology〜

山地や海岸の斜面にあるカシやスダジイからなる常緑広葉樹林や二次林に生息する。単独で生活するが、野生下および飼育下でも1つの巣穴を複数個体が同時に利用した例がある。複数の鳴き声を発したり後肢で地面を叩くことから、個体間でコミュニケーションを行うと考えられている。1-2ヘクタールの行動圏内で活動する。夜行性で、昼間は斜面に掘ったアルファベットの「L」字状の長さ100-400cmの巣穴や、樹洞や岩の隙間などで休む。食性は植物食で、草(ススキ、ボタンボウフウなど)、木の葉(アマクサギ、エゴノキなど)、樹皮(スギ、ミカンなど)、果実、タケノコなどを食べる。

繁殖形態は胎生。専用の長さ100-200cmの巣穴を掘り、4-5月と10-12月に1回に1頭の幼獣を産む。母親はときどき幼獣のいる巣穴に立ち寄り授乳し、授乳が終わると巣穴の入り口を塞ぐ。

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折居健二

人間との関係 〜Relation to human〜

古くは食用や薬用とされたり、毛皮が利用されることもあった。
開発による生息地の破壊、人為的に移入されたイヌ、ネコ、ジャワマングースによる捕食などにより生息数は減少している。日本では1921年に国の天然記念物、1963年に特別天然記念物、2004年に種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されている。1995年に自然保護団体により日本では初めて本種をはじめとした動物(他にアマミヤマシギ、オオトラツグミ、ルリカケス)を原告とし、奄美大島でのゴルフ場建設の許可取り消しを求めた訴訟が鹿児島地方裁判所に提訴された。原告を動物とすることは却下されたため、その後に動物の代弁として人名を挙げ訴状を訂正した。奄美大島での1995年における生息数は2,600-6,200頭、徳之島での1995年における生息数は120-300頭と推定されている。

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